秋雨

久々です。凛さんに触発されました。(笑)
でもってリズム隊でリハビリ小噺でもという事で。
お付き合いしていただける方は続きへどうぞ。


最近は秋雨の影響で激しく雨が降る事が多い。
こんな時は気分も憂鬱になる。
舞台の稽古で外に出られないせいかも知れないが。

そんな帰り道マネージャーに途中まで送ってもらい、
気分転換に家まで歩いていた時
俺の家の前に人影が。
しかも傘をさしているのに少し激しい雨の中のせいで足元が濡れている。
どうせ俺には関係ないだろうと思い素通りしようとしたら

「松岡今日もお疲れ!」

何だか聞き覚えのある声が・・・。しかも俺呼ばれた?
なんとなく見てみるとよく知る顔、うちのメンバーが、山口達也がそこに。

「・・・え!?あ、あにぃ?」

とっさに出た言葉がこれ。恥ずかしいな、本当。

「なんだよ。そんなに驚く事ないじゃんかよ。」

普通に返されてしまった。
平静を保つ振りをして

「どうしたの?兄ぃ。こんな夜遅くに俺のうちの前にいるなんて。」
「いや、なんか最近お前の顔見てなかったからさ、元気かなって、それだけ。しかも俺海外ロケだったし。」
「兄ぃは・・・元気そうだね。」
「松岡は疲れてそうだな。じゃ、俺帰るわ。松岡の顔見たかっただけだし。」
「え?上がってかないの?冷えてるから俺の家で温まってから帰ればいいのに。」
「いや、俺家遠いからさ。じゃなっ!」
「あ、うん。じゃ・・・」

挨拶もすまないうちに兄ぃは歩き出していた。
あの人は何をしに来たんだか。
俺も家に入ろうとしたら、

「松岡ー!!」

と、また俺を呼ぶ声。まぁ、兄ぃのだが。

また通りに戻ってみると遠くから兄ぃの声が。

「お前、無理しすぎるんだから体調気をつけろよー!」

と激しく雨が降っている中、兄ぃの声だけがかき消されずに
俺のところまで届いた。
それを言った兄ぃは、また歩き出した。

普通の事を言われただけなのに何だか嬉しくてその場で立ち尽くししまった。
心まで温かくされたようだ。


そんな俺の傘に冷たい雨が落ちてくる・・・。




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久々ですね。
ま、リハビリという事で大目に見てください。